>会報47号(平成15年10月)より抜粋
平成13年10月、山中・東高同窓会総会で青雲会55名が喜寿のお祝いを戴きました。その折、卒業60年の会で青雲会の締め括りにしよう、と約束がなされた。それを受けて山形の学友が、平成15年6月5/6日、温海温泉と羽前三山参拝との旅を企画した。
前年11月の参加希望者は40名であったが、当日の参加者は33名で、内3名はご夫人であった。山形17名、東京11名、仙台・福島・京都の参加でした。
山形駅前を13時30分に貸切バスで庄内に向け出発した。当日は梅雨の季節iこは珍しく快晴でした。かつての難所は、長いトンネルと橋で繋がり、寒河江ダム・月山湖をi眺めつつ日本海へ出る。
快晴に 薫風さやか 海は凪ぎ 月山鳥海 共に迎えし
庄内へ 難所開きし 新道を 緑風の中 三山を越ゆ
大山の善宝寺に参拝。全国から百万人もの参詣人のある名刹に、10名余の僧の供養を受ける。
万巻の 開経供養す 善宝寺 戦に散りし 学友安かれと
穏やかな日本海を眺めつつ、湯野浜、加茂、由良の海岸を経て、温海温泉の「たちばなや」に入る。由緒ある新装の素敵な部屋に憩い、温泉に浴す。
たちばなや 匂うが如き 良き宿に 謳い語りて 一夜を明かしつ
木漏れ日が 一筋湯屋に 差し入りて 透明豊かな 湯に浸りけり
19時大広間に集合し、物故学友の冥福を祈り開宴。思い出を語り、美味を食し、酒を酌む、かつて校庭に流されていた藤村の「椰子の実」の歌と校歌を合唱する。
校庭に 流され聞きし 流離の憂い 共に謳えば 青春還る
業終えて 六十年の記念祭 共に謳わん 羽前の三山
翌6日も快晴。早朝風呂に入り、朝市を覗き、朝食。9時出発。羽黒山に向かう。真っ赤な大鳥居を潜り、参道を登り、駐車揚に入る。徒歩10分で芭蕉の銅像と三山の句碑を見て三神合祭殿に入る。全員神前に座して祝詞をうけ、家内安全・平安長寿を祈る。
豪快な 大茅葺の 神殿に 金鈴鳴りて 平安祈る
蕉翁も 訪ね来たりて 涼しさや ほの三日月の 羽黒山と吟ず
さらに山中を深く登り、注連寺に鉄門海上人を拝す。
山深く 豪雪に耐え 即身の 仏を祀る 寺に詣でる
湯殿山に登る。小型バスに乗り換えて10分、神域に入る,石敷きの道を登り、降りして15分、裸足になりお祓いを受ける。
形代を 流し清めて 裸足にて 湧き湯流るる 神体渡る
語られぬ 湧き湯に濡れる ご神体 踏みつつ祈る 家内安全
残雪の 僅かに残る 湯殿山 白き辛夷,の 咲き誇りける
全員で 良くぞ参りし 出羽三山 八十近き 青年健在
三山をあとに車は月山の麓を巡り、15時、間沢の出羽屋に入り、盛大な解散パーテーを開く。
三山を 拝し終わりて 山莱の 名物料理に 別杯を酌む
激動の 六十余年の 友情の 熱き思いの いよいよ深まる
この思い 誰が計りし 深きより 滲み出でくる 友懐かしき
善き旅を 作り賜わる 嬉しさを 何に例えん 唯有難き
今回の信仰の山をめぐる記念の会は、私たちの心に深い感銘と、友との絆を深める旅になりました。心より感謝いたします。
■山形の友から
今日晴渡る壁瑠璃の、陽射しの光を身にあびて、虚空を凌ぐ出羽三山を近くにすると、霊ある呼吸が我胸を充たした。山中卒60周年記念の旅、山の緑、海の青に深呼吸をし、昔を偲び、80歳にならんとする足を労わりながら歩き、坂を登り頭を垂れて神仏に謝し、何卒これからも宜しくとお祈り申し上げた。
夜ともなれば浴し、食らい,語り合い、時の経過を知らなかった。わが青春の友よ!山形の蕎麦の如く愛され長く生きられよ。本当に有難うございました。
(阿部 圓 記)
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